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『脱こく勝負』能力と精度の追求!

クボタ季刊誌パートナーより
ダイナミックエアロスレッシャー誕生秘話
   
平成7年、クボタは当時業界で最高能力を誇る6条刈コンバイン
スカイロードプロSR75を世に送り出し、規模拡大や受託面積の
拡大をはかる大規模農家や集団などに大いに受け入れられた。
これに合わせて、他社も次々と高馬力コンバインを出してきた
しかし、受委託の増加・規模拡大が進むにつれ、これより能力
の高いコンバインが必要になった。一方では米価の低迷・・・、
「経営が成り立たない」。プロ農家にとって稼働率と収益率
の向上は危急の課題だった。
「限られた期間内でもっと大面積を刈れる、能力が高く精度の良い」
コンバインがほしいユーザーの切実な願いだった。
「日本農業の次代を支えるプロ農家のために、飛躍的に能力と
精度を向上させた高速コンバインを開発しよう。ただし、機動性
を損なわないように機体寸法や重量は同程度という制限付きだ!」
平成10年
クボタ技術陣の挑戦が始まった。
 
 
   
設定作業速度は1.56m/sec。
まさに飛ぶようなスピード感だ。
従来比30%増の大量の作物が流れ込む。
能力を大幅アップした脱こく機の開発が
必要だった。それには、こき胴部と選別部
の能力アップが大きなキーとなる。
各部のレイアウトに工夫がこらされた。
しかし脱穀機に与えられたスペースは
わずか10%アップのみ、「10%のスペースで
30%もの能力アップができるのか」
開発チーム長の中島伸六はうなった。
     
どこに10%のスペースを与えるか。大きな課題だった。
脱こく機の設計思想として、@こぎ胴を長くする、Aこぎ胴は
長くしないで処理胴を別に設ける、という2つの考え方がある。
こぎ胴を長くすれば、シンプルな構造で、脱こくロスの大半を
占める扱ぎ残しやささり粒を大幅に減少させることが可能だ。
処理胴方式はわら屑を細分化するメリットはあるものの、
構造が複雑で、狭い所に大量のわら屑を送り込むので、
詰まりやすく馬力も食う。
技術陣は迷わず「こぎ胴を10%長く」した。

 
 
脱穀された大量のもみは、スムーズに受網から漏下させなければ、
脱こくロスが増える。もっと漏下率を高める必要があった。
クリンプ網では編み込みにわら屑が引っ掛かり、目詰まりして
しまうから問題外だ。「もっと開口面積がとれて耐久性のある
受網ができないか」。開発リーダーの松下肇の脳裡に、ある物
がうかんだ。細い線1本で何百キロもの物を軽々吊り上げる
あのピアノ線だ。
試作してみた。漏下率が30%アップした。しかも耐久性に
優れ、グリッド方式(編み込みがない)のため濡れ作物にも強い。
自脱コンバイン初の
グリッド方式超硬ピアノ線受網の誕生だ。
大量の穀物を選別するには、選別面積の拡大が有効
である。そこでまず選別ケース幅を10%広げた
「ワイド選別」を選択した。しかし能力30%アップ
を実現するためには、もっと漏下率を高める必要
があった。そこで業界で初めて副トウミを2ヶ所
に設け、もみとわら屑の分離を促進した。その
結果、大量の穀粒を漏下させることができた、
高能力と高い餞別精度を両立できた。
10%アップのロングこぎ胴とワイド選別を基本と
しながら、各部に様々な工夫や新技術を採用
することで、ついに、全体として処理能力を30%アップ
させ、しかも脱こくロスを50%減少させるという
快挙を成し遂げた。
”ダイナミックエアロスレシャー”
と名付けられた脱こく機の完成だ。
最大・最速・最軽量のAR90を初めとした、
エアロスタープロシリーズが誕生した。

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お披露目の日がきた。平成12年9月、クボタの販売第一線の
メンバー達にAR90を紹介した。乗ってもらった。
「これはスゴイ!」あまりの速さに衝撃が駆け抜けた。
脱こくロスの少なさに驚嘆の声が上がった。
緊張の面持ちだった開発チームメンバーの顔がほころんだ。
平成13年に発売、市場で絶賛された。
初年度に6条刈コンバインでシェアー60%を達成した。(日農工)
AR90は「第31回機械工業デザイン賞:日本産業
機械工業会賞」を受賞し、さらにコンバインでは
初めて「グッドデザイン賞」も受賞した。
まさに新時代コンバインの誕生だった。

鋳物技術に培われたノウハウが世界シェアー1に、クボタエンジンの紹介

 
この、ロングこぎ胴とワイド選別を基本とした開発思想は
すぐさま川畑豊一副部長を中心としたメンバーの手で、
軽量・コンパクト化が求められるすべての中・小型
機種に展開された。
●ロスが少ない
●仕上がりがきれい
●軽快な作業を実現する軽量・コンパクト設計
の3つの特徴は、クボタコンバインの代名詞になった。
どれもがクラス最大のロングこぎ胴と、ワイド選別を持つ
”ARシリーズ”は、平成15年2条刈から6条刈まで
すべてのラインアップが完成した。
”脱こく勝負”それはまさに日本農業の存在を賭けた
戦いであったといえる。開発者たちは、先達の言葉
に想いを馳せていた
「あくなき挑戦こそが新たな道を切り拓くのだ」
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